雑談って何気ない無駄な会話だと思っている自分にとって、雑談にも違いがあるのか?と思わせてくれる「世界の一流は「雑談」で何を話しているのか」のタイトルは衝撃的だった。
衝撃的だったんだから読まずにはいられないので、読んでみた。
なるほど。世界の一流の人の雑談は、自分たちの想像する雑談とは別物だわ・・・。
書籍「世界の一流は「雑談」で何を話しているのか」について
著者 | ピョートル・フェリクス・グジバチ |
発売日 | 2023/3/31 |
ページ数 | 240ページ |
世界の一流は「雑談」で何を話しているのかの概要
雑談を社内や社外の人間関係の構築に活かし、仕事で成果を出すための考え方や実践法を徹底的に掘り下げて詳しくお伝えします。
世界のビジネスマンの雑談との向き合い方や、日本との考え方の違いを知ることは、雑談のスキル向上だけでなく、仕事のクオリティーを高めることに結びつきます。
世界の一流は「雑談」で何を話しているのかの要点と感想
”雑談”の定義が違う
ダメな雑談と良い雑談があるとしたら、その違いは何か。
仕事という目的につながっているのかという点に尽きるのかもしれない。
そして、自分がやっている雑談はよくない雑談。世界のビジネスマンは雑談を時間を埋めるための会話みたいには捉えていないらしい。
雑談を通して、仕事を進めるために必要な下準備のようなことをしているそうだ。
それは取引先とも仲間内ともそう。雑談を通して仕事の情報交換をしている。仕事の情報交換を雑談と認識しているといったほうが良いのかもしれない。
有意義な雑談がある職場こそ良い職場
雑談をしていると怒られるような雰囲気があるが、むしろ仕事の生産性を上げるために大切なのは雑談で、雑談を禁じるようなことは逆効果。
笑いが聞こえないような職場はむしろ異常事態だととらえていいというようなことが書かれていて、驚き半分、納得半分だった。
昔とある産業廃棄物業者さんに訪問した際に、全員が整然と座り、何の話し声もなく黙々と作業をしていた。その会社の社長はそれを誇らしげにしていたが、自分からすると異様だった。マネキンを並べて配置しているように見えた。
あの空間はおそらく社長の指示通りに動く人たちが配されていて、自身で考えて行動するということは一切許されていないのだと思う。それでは変化の激しい今の時代に合わないだろうし…みたいなことが脳裏をよぎった。
雑談の大きな流れ
雑談で天気の話をするのがベターな日本人だけど、雑談をするときには次のような順序で進むほうが良いらしい。
- 相手の状況
- ビジネスの状況
- 新たに必要な情報の確認
この3段階で進み、特に問題がなければ仕事の話をしましょうよって感じに進むらしい。
なるほど合理的。
まず相手はベストな状況にあるのか?そして、職場はどうなのか?それらがOKなら手助けが必要なことはないか?それらがクリアされて、初めて仕事の話ができる。
まどろっこしいと思う部分もあるし、遠回しに感じる部分もあるけど、相手の立場からすると、自身への配慮をしてくれることに喜びを感じるし、やりやすさを感じるはず。結果、良い方向に仕事が進むかもしれない。
信頼構築が大切でそれは準備段階で決まる
雑談をする理由は何かとなると、突き詰めるとそれが仕事の準備の一環であるし、その仕事の準備の中には相手との信頼関係(ラポール)を構築するという目的も含まれている。
雑談を通して仕事がしやすい状況を整えていく。それは互いの関係性にラポールを生むことになる。
それこそが雑談の役割と言えるのかもしれない。
Googleでは雑談を意図的に生むようなオフィス設計にしているそう。雑談を減らすのではなく、むしろ雑談をしすぎる環境を作ることを意識しているそうで、それが生産性を高めることも明らかになっているらしい。
やはり雑談のタブーは存在する
雑談の中にはやはりタブーはいくつかある。これに関しては西洋東洋問わないのかもしれない。
パーソナルに踏み込みすぎたり、下品なネタはやはりタブーのようだ。
もし、そういうものを抜きにしたら何も話すネタがないとなるなら、何も話さないほうが良いらしいが、ごもっともすぎる。
てなわけで・・・
世界の一流の人の雑談について学べる「世界の一流は「雑談」で何を話しているのか」を読み、雑談に対して新しい認識を持つことができたと感じています。
世界の一流の人と話すことはないかもしれないけど、でも、そういう感覚で雑談をしようという意識を海外の方は持っているのだという知識はどこかで役に立つかもしれない。
いや、誰に対してでも雑談とは関係性をよくするためのものであると再定義したほうが良いのかもしれない。そんなことを思った。
そして、この本を読むまで自分は雑談はうまいほうだと思っていたけど、大間違いだと気づかされた。無駄話が少々達者なだけだわ。