自分の意見で生きていこうについて
タイトル | 自分の意見で生きていこう |
概要 | 超人気社会派ブロガーが「現代を生きぬくための根幹の能力」を解説するベストセラーシリーズの最終巻。「論理思考」「マーケット感覚」「生産性」に続くテーマは、「正解のない問題に答えを出す力」であり、具体的には「自分だけの意見を言えること」。その必要性やトレーニング方法までを事例とともに鮮やかに解説します。 |
著者 | ちきりん |
amazon評価(記事執筆時点) | ★★★★☆ (4.6/5) |
自分の意見で生きていこうの目次+要点
自分の意見をブログで発信し続けているちきりんさんによる、”自分の意見を持つ”をテーマにした著書。
自分の意見をブログで発信して多くの支持を受けているちきりんさんですが、なぜ自分の意見を発信しようとしているのか、どうすれば自分の意見を持つことができるのかについて書かれています。
その初めの一歩として、「なぜ自分の意見を持ち、発信することを大切だと思っているのか」について冒頭で書かれていますが、一言で言えば、自分の意見を発信しなければ自分の人生を作れない!といったところでしょうか。
そんな”意見”の生み出し方、そして、それを発信する過程について思うことや壁への対処法、最後に、意見を実際に作るための手順がまとめられています。
第1章 「意見」とはなにか、なぜ必要なのか
ちきりんさんが思う”「意見」とは何か”についての定義について解説されているのが、この第一章です。その”意見とは何か”を簡単に言えば、”正解のない問いに対して自分なりの回答”が意見であるという考え方です。
意見を述べるという行為は、決まってその前に問いがあります。その問いに対する答えには大きく分けて2種類あります。
- 正解:正解がある問い
- 意見:正解がない問い
それが正解のある問いの場合は、自分の”意見”が出る幕はありません。誰にとっても正解と呼べるものがあるのですから、その問いに対する正解を調べるなりして終わりです。しかし、問いに対して正解がないものがあります。
「人生とは何か」みたいな壮大なものから「明日何を食べようか?」と言った問いも、正解がありません。それらは自分で考えて自分なりの正解を出すしかありません。それが”意見”です。
正解がないので人の数だけあるものだし、正解がなく、人の数だけあるからこそ、自分で意見を持とうとしなければ、その問いは他人の意見を押し付けられるだけになり、自分の人生を生きているとは言い難くなります。
だから、自分の意見を持ちましょう!ということが書かれています。
第2章 「反応」だけではダメな理由
意見を述べる上で区別が必要なのが「意見と反応」の違いについてです。なぜこの区別が必要なのか。それは、たいていの人は「反応」をしているにすぎないからです。
そして、反応は価値がありません。ただのリアクションですから、それそのものに何か個人の考えが出ているわけではありません。例えるなら、誰かの意見に対して「おもしろ」って言うのはただの反応です。これは意見ではありません。
では、意見と反応を決定的に分かつものは何かというと、”立ち位置”です。
立ち位置が明確になっているものが”意見”、立ち位置が明確じゃないものが”反応”と分類することができ、意見を述べるというのはつまりは”立ち位置を明確にする”ということでもあります。
XXに対して、私は○○だと思います、僕は△△だと思います。
こういった意見が錯綜する状態は、つまりは立ち位置の違いを明確にしている状態という捉え方です。
対する反応は、XXに対して「そう?」とか「まじで!?」みたいな反射的な反応を示しているにすぎません。反応ですから、あってもなくてもどちらでもいい、単体では何も価値を生み出せないものでもあります。
でも多くの人が取りがちでそれを意見だと錯覚していることもあるのが「反応」です。
この違いを明確にして意識するだけでも意見を作る、意見を生み出すということはどういうことかが見えてきます。
第3章 SNS時代に「自分」を創る
自分の意見を発信しましょう!では”自分とは?”について触れているのが、この章です。
自分の何を発信するのかとなると、それは自分の意見を発信するんですよってことがこの本を通して書かれていることではありますが、では、なぜ自分を?どんな自分を?という問いに対しての回答がこの章で書かれています。
なぜ自分を発信するのかということ。ネットの中に自分を作るためと言えばいいのかもしれません。自分の意見をまとめたメディアを作ることで、自分という人間の頭の中にあるものを可視化できる状態にしています。つまり、それは人格がわかる材料でもあります。
そうやって自分とはどんな人かを判別できるメディアを作ることができれば、自分と言う人間を紹介しなくても、何らかのキッカケを通して自分を知ってくれるようになります。そして、「XXはあの人はどう考えるんだろう?」とか「XXさんのあの考えは賛同できる」など、自分に興味関心を持ち続けてくれたりもします。
自分を知ってほしい!と奇抜な行動に出る人も居ますが、そういった方法を取ってまで自分を伝えたいとする理由は、自分を教える術がないからでもあります。自分の考え=人格を伝える術を持ち、それを集めた自分メディアを持っていれば、そこを見てもらえれば、自分という人間を知ってもらうことはできます。
爆発的な認知の拡大は期待できないかもしれませんが、自分という人間を知る人は今よりも少なくとも増えますし、その新しく知る人は、自分という人となりを知る人ですから、長く興味関心を持ってくれる可能性が高くもあります。
なので、自分という人間の人格を反映させた自分メディアを持つことは、ネットの力を自分の味方に付ける上でとても重要なポイントになりますよってことがこの章では書かれています。
第4章 生きづらさから脱却しよう
タイトルは「生きづらさ」について書かれていますが、その内容は、意見を発する事への葛藤の乗り越え方が書かれているのがこの第四章です。
意見を出そう!と言われて「はい。そうします」で済む人はこの章は特に必要ないのかもしれませんが、たいていの人が「意見を出そう!」と言われると「はい。でも…」としり込みしてしまうものだったりします。
その葛藤はどこから来るのか。1つは学校教育の中で自然と培ってしまった価値観の”正解がある”という思い込み。つまり、多様な意見を許さない価値観を日本人は持っている傾向があるよねってことが指摘されています。
例えば、映画の感想なんかは人それぞれが違っていていいはずなのに、文章が上手い人、有名な人が書いた映画の感想があれば、それを正解と思い込んでしまい、自分の感想を表明しようとは思わない。間違っているのでは?とまで思ってしまう。そういう土壌が日本人にはあるので、まずはそれ誤解だよってことが書かれています。
加えて、承認欲求との付き合い方、向き合い方にも触れています。
人間だれしも大なり小なりの承認欲求を持っているものです。その承認欲求を満たしたくて、過大に表現したり、時には嘘をついたりしてしまいますが、これは”自我”の確立が先に来ていないから起きることなので、まずは”自我”を作りましょうと言うアドバイスがなされています。
自我とは何かとなると、自分とは何か、どんな価値観を持っているのかを明確にし、それを自分が認めている状態を作りましょうということです。それができるようになると、他人に認めてほしいという気持ちが弱くなります。つまり、承認欲求が程度な大きさにまで小さくなるので、その状態を作ってから意見を発信してもいいと思いますよ。
そのようなことが書かれています。
全体を通して、”意見を発信する”ということへの間違った思い込みを変えるための、新しい価値観を授けてくれている章になっています。
第5章 リーダーシップの最初の一歩
意見を言える人こそが実は仲間を作り、集団の中で価値を発揮して、リーダーの立場に行ける人でもあるんですよってことが書かれているのが第5章です。
意見を言うことは時に違う意見との反発を生むかもしれませんが、それでも最終的には自分の意見を組み立てることができる人こそが重宝されます。なぜなら、人と同じ意見で迎合することを良しとする人は、存在価値が低いためです。そして、そういう人はますます存在価値を失くしていきます。
なぜなら、指示通りに作業するだけなら、ロボットやAIがその座を奪う日はそう遠くはないためです。人と違う意見があるからこそ、何か問題が起きた時に「どう思う?」などと意見を求められる、つまり価値が出てくるのです。
また考えること、意見を持つことを当たり前だと思い、いろいろなことに関しても自分なりの意見を持つことも、リーダーとしては欠かせない素養となってきます。なぜなら、予期せぬ事態は突然訪れ、その時に対応ができるのかどうかは自分に関係がないという事に対してでも意見を持てていたかどうかが左右するためです。
組織としての存在感を持ち、組織として必要とされる存在になるための第一歩は「意見を持つ」ということですので、意見を持つことは自分を救うことにもなりますよってことが書かれています。
第6章 オリジナルの人生へ
意見を持つこと、意見を言うことが自分の人生を作ることになるんですよってことが書かれているのがこの第6章です。
なぜなら意見を持つということは、決断をするということでもあるためです。本の中で例として挙げられていますが、持ち家か賃貸かということには正解はありません。正解はありませんが、どちらかを選択しなければならないとなると、自分なりに考えて決断をするはずです。その決断は、その後の人生を作ります。
その過程で、持ち家か賃貸かどちらが良いのかを自分なりの意見を持つことになったはずです。意見を持つことが人生を作ったと言っても過言ではないということになってきます。
今の世の中は本人が選べる範囲が広がっています。それだけ自由度が高まっているという良い見方ができる一方で、自分で意見を持つことができない人には非常に難しい世の中になっているとも言えます。
だからといってその流れは止まることなく、むしろ加速度的に広がっていくと思われますので、自分の意見を持つことができればより暮らしやすくなります。自分の意見を持っていきましょう!ということが書かれています。
自分の意見で生きていこうの感想
ちきりんさんの”自分で考える系”の3部作とでも呼んでいいのかな?
「自分のアタマで考えよう」「マーケット感覚を身につけよう」に続いて発売されたのが「自分の意見で生きていこう」です。
3部作の3部作目というのはたいてい出涸らしになりがちなのですが、ちゃんとした質を担保しているのでさすがだな…と思いながら一気に読み進めた一冊です。
そして、ちきりんさんの書籍が、僕がこうして書籍の要約と感想のブログや自分の意見を発信するブログをやっている理由の1つにもなっています。この感想欄を丁寧に書こうと思ったのもそうかな…。
意見を出すことで人格が伝わり、人格がキャラクターを作り、そのキャラクターにファンがつく。だから、意見をちゃんと述べるべきだよってこの本で書かれていることを結構忠実に守って発信しています。
書かれていることをまとめるととてもシンプルなんですよね。ゴールからの逆算的にまとめるとこういうことだと思うんです。
自分の人生を生きているがゴールだとして…
- 自分の意見を発信する
- 意見の集合体が人格として伝わる
- その人格に支持者・ファンが出てくる
- その意見や生き方に賛同する人、応援する人が出てくる
- 自分の人生を生きやすくなる
こういう道筋で進むことになるよってもので、そのロジックを紐解くと1の意見の積み重ねでしかないよねという事でもあります。
僕のこの書籍ブログに当てはめると、僕が読んでみて面白かった、ためになったという本ばかりを取り上げると、おのずと同じような本を好む人が増えるので、このブログを好きになってくれる人が増える。もしこのブログを通してamazonアソシエイトなどで報酬が発生すると、僕の生活は良くなる。人生が楽になる。
そんな感じでしょうか。
金のためにやっているわけではないのでそれが全てというわけではありませんが、1つ1つを積み上げることで未来が変わると言うのはそういう事なのかな?と思っています。
なので、今後も細々と、この書籍の内容を参考にしながら続けていこうかな…なんて思っています。
自分の人生を生きたい、自分の意見を持てる人になりたい!って方は一読をオススメします。