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【人間関係の秘訣】人望が集まる人の考え方/要約・感想【レス・ギブリン】

人望が集まる人の考え方について

タイトル 人望が集まる人の考え方
概要 “自分が求めているものを手に入れる唯一の正攻法は、
正しい人間関係の技術をしっかりマスターすることである”本書では小手先のテクニックではなく、人間の本性に対する理解にもとづく「基本原理」を紹介しています。
著者 レス・ギブリン
 

アメリカの心理カウンセラー。人間関係のエキスパートとして知られ、人間の本質に関する深い洞察が好評を博す。本書の原著は1956年の刊行以来、半世紀にわたり不朽の名著として世界中でロングセラーとなっている。全著作の累計発行部数は500万部を超える。訳書に『チャンスがやってくる15の習慣』(ダイヤモンド社)がある。

amazon評価(記事執筆時点) ★★★★☆ (4.4/5)

人望が集まる人の考え方の目次+要点

より良い人間関係を構築するためのコツを教えてくれるのが「」です。コツというよりも本質というか核心というか、人間関係を構築するうえでのど真ん中の中心にあるものを教えてくれている一冊です。

その冒頭で、良い人間関係とは何かについてこう定義されています。

自分が求めているものを手に入れるのと引き換えに、相手が求めているものを与えることだ

これ以外に良い人間関係はない。そして、これを手に入れるには…ということが書かれています。

PART1 人間の習性をうまく利用する

第1章 人間の本性をうまく活用する

多くの人が手に入れたいと願っているものは大きく分けて2つある。それは「幸福」と「成功」である。そして、そのいずれをも手に入れるために不可欠な技術と言えるのが”人間関係のスキル”です。

カーネギー大学の研究では、人の幸福を決定づける要因は”人間関係”であるとされています。その動向を調査したところ、仕事での成功を左右しているのはスキルではなく人間関係の構築スキルの有無であり、スキルが成功に寄与したと考える人は15%、人間関係が寄与しているというのは実に85%にも至ることがわかっています。

第2章 人を動かす基本的な秘訣

人の中心にあるのは「自尊心」である。その自尊心を満たしたい、自尊心を守りたい、そんな思いで全ての人が行動をしている。”自尊心が中心にある”ということを念頭におくことが人間関係の構築の肝だよってことがこの章で書かれています。

大なり小なり、自尊心を満たしたいという思いで人は行動をしています。会話をしていても、その根底には自尊心を満たしたいという思いがありますので、その自尊心を上手に満たしてあげられる人は自然と人があつまります。

また、自尊心が高い人が人間関係で衝突を起こすと思われがちですが、これは間違いです。自尊心が低いから、その低い自尊心を失わないための防御反応として衝突を起こしてしまいます。

自尊心を失わず、自尊心を満たしたいというのが人間の強い強いニーズなのです。

第3章 自分の「隠れ資産」を有効に使う方法

人は自分自身の価値を認めてほしいと渇望している。軽く扱われることをとことん嫌い、時にはそういう扱いをした人へ激しい怒りを感じたりもする。それほどまでに重要感を渇望しているのだから、それを気前よくわけあたえてあげようよということが書かれています。

そして、この章は何と言っても…

「人間が論理の生き物というより感情の生き物だと気付けば、人間関係の技術は飛躍的に向上する」

この一言に尽きる。

第4章 他人の行動と態度をコントロールする方法

他人をコントロールするには?という非常に魅力的にうつるタイトルを持つ章ですが、この章を通して伝えたいことは、「あなたの態度が相手の態度を作っている」ということ。

これを理解することが相手を動かすことになる。

例えば、相手にあなたが求める態度があるなら、まずあなたがその態度を取る。相手はあなたの態度に影響をされるし、あなたが取ってほしい態度はこの態度であるということをあなたに伝えてもいると無意識に判断する。

横柄な態度を取れば相手も横柄に、誠実な態度を取れば相手も誠実な態度を取る。

何かを売りたいと思うなら、その商品にほれ込むこと。ほれ込んで、大好きで仕方がないんだ、素晴らしいんだ!ということがあなたから溢れていれば、その情熱は相手に伝染し、相手もその商品に興味を持ってくれる。

もし、あなたが相手に説教をしたりすれば、それはあなたが相手を軽く見ているのだということが態度から伝わるので、相手もあなたを軽く見てくる。

相手はあなたの態度を真似しているだけだということを意識すれば、相手をコントロールすることはできる。そのようなことが書かれています。

第5章 相手によい第一印象を与える方法

相手によい第一印象を与えるにはどうすればいいのか?これを考え、実践することができれば、その後の展開も非常に有利に運ぶことができます。

いくつか方法がありますが、まずは第一印象。ここがカギを握るということが丁寧に書かれています。見た目だけではなく、一言目、その声のトーン、1つめのアクションこういったもので生み出す第一印象がその場の雰囲気、音楽で言えばキーを決めてしまいます。そこで失敗すると、その場であなたが求めることを得るのは難しくなります。

そして、何よりも重要なのは次の一文だと思います。

アルバート・ウィンガム博士は「自分が求めていることを相手がしたがっていると想定することほど強力な暗示はほとんどない」

そう自分に言い聞かせて暗示をかけることで、ふるまいや言葉、あらゆるものが変化していきますので、そういうマインドセットを持つことが大切だよということが書かれています。

PART2 友情をはぐくんで相手を味方につける

第6章 人々をひきつける3つの条件

人々を惹きつけて相手を魅了する人にはある共通点がある。その共通点を持つことは誰にでもできるが、誰もがそれを実践できずに苦労していることでもある。

その人を惹きつける共通点ともいえるべきものは何かと言うと、次の3つの条件を持つ人のことを指す。

  • 相手を受け入れる
  • 相手を認める
  • 相手を尊重する

この3つを持ち合わせる人は相手を魅了し時には相手を変えるほどの影響力を持つこともできる。そのようなことが開設されているのがこの章です。

非常に興味深いのが、相手を変えることはできないが、相手を完全にありのままに受け入れることができる人にだけ、相手を変える力を持つことができるというもの。相手を変える必要なんて感じてない人にだけ、相手を変える力を持つ。矛盾しているような、まるで無駄なような話ではあるけど、これも1つの真理だと思う。

第7章 相手とすぐに打ち解ける方法

相手との距離を初対面や、知り合って間もない段階で一気に詰めることができる人がいる。その人は何が違うのかというと、とっつきやすさ、親しみやすさというものが全面に出ている。それが打ち解けやすさを作っているんですよってことが書かれているのがこの章。

中でも重要だと感じるのが次のくだり。

「自分のことを相手が好いてくれると信じることが大切だ」

これに確信を持つことができる人は相手から好かれる。不思議なことでもなんでもなく、好かれるにきまっていると思っていることは相手への防御本能を弱くする。逆に言えば、相手は自分を嫌っているかもと1ミリでも思えば、それが壁になる。

このようなすぐに打ち解ける人になるためのコツが書かれています。

PART3 効果的な話し方で成功する

第8章 言葉で表現する能力を磨く方法

誰かと話すときの言葉。その言葉が成功を左右することは統計でもわかっていますが、それを意識するほど人と話すのが怖い。そんな人のためにぜひジックリ読んでほしいとして書かれているのがこの章です。

とは言っても難しいことが書かれているわけではありません。

話し上手になるための秘訣が書かれているのですが、その秘訣をぎゅっとまとめると「何を話してもいい」「相手に自分のことを話させろ」が主なテーマとなっています。この2つを抑えていればOKだよ、と。

信じられないかもしれませんが、何を話もいいし、難しいこと話したり、ネタを準備したりもしなくてもいいのです。ただただ相手に話させる。これができれば成功です。

第9章 聞き上手になる方法

人間関係を良好にしたい、良いものとして構築したいと願うなら、じっくりと相手の話を聞くことが最も効果的だよということが書かれています。

人の話を聞くなんて当たり前だろと思いがちですが、なかなかこれができていない人が多いそう。聞くのではなくて、じっくりと聞く、最後まで相手の話をさえぎらず、否定せずに聞く。これを実践する。それが大切なのです、と。

これは相手の話を肯定し、相手への重要感を満たすことにもなりますので、話をただ聞いてくれているだけのあなたへ最大かつ最高の好意を持つ理由になりえます。

第10章 たちまち相手の賛同を得る方法

相手に自分の伝えたことに賛同をしてほしい。そう願うことも珍しくはないと思いますが、なかなか賛同を得られないということもまた珍しくありません。では、どうすれば相手から賛同を得ることができるのかということが書かれているのがこの章です。

その相手から賛同を得るには、”相手が自ら賛同したくなるように仕向ける”ことが最も大切なようです。

そのためには6つのポイントがあります。ぎゅっと凝縮していえば、相手のメンツをつぶさず、しかし、穏やかに事実を伝えることがポイントのようです。具体的には本書を読んでいただくとして、ビジネスやプライベートで自身の意見を通したいという時には非常に参考になるポイントになるはずです。

PART4 相手にうまく働きかける

第11章 相手の全面協力を得て成果を上げる方法

相手に協力をお願いし、了承を貰う。しかも、最大限の力を発揮してもらう。そんなことを実現するにはどうすればいいのか?ということが書かれているのが、この章です。

簡単に言えば「体力だけではなく知恵も借りる」という意識が、相手から知恵も体力も借りることにつながります。人手を借りるのではなく、知恵を借りるのです。

○○をしたいので手伝って!は体力を借りるお願いです。これでも力を貸してくれますが、もっと効果的に力を貸してくれるのがアドバイスをしてほしいとお願いする事。そうする知恵だけではなく、人手も惜しみなく貸してくれます。

自分を頼りにしてくれたという重要感がそうさせるようです。

そのようなお願いするときのヒントがこの章では書かれています。

第12章 人間関係で奇跡を起こす方法

「ほめる」

誰にとってもうれしくて、誰もが求めているその一言に焦点を当てて、褒めることのすばらしさと人間関係に与える影響がまとめられているのがこの章です。

あまりあれこれと書くまでもないかもしれません。「褒める」ということがいかにすばらしいのか。どのような奇跡を起こすのか。それをあなたが取り入れるとどうなるのかを知ることができます。

第13章 相手を怒らせずに注意を与える方法

「注意をする」というのは人間関係において、一番難しい局面かもしれません。相手を傷つけるかもしれない、関係性にひびが入るかもしれない。そのような恐れがあるのが「注意をする」という行為です。

僕たちが「相手のための注意をしている」と思い込んでいることは、実は相手に不出来を指摘して自身の自尊心を満たしたいだけなんてこともあり得ますので、注意をするという行為には本当に注意が必要です。

では、どのように注意を与えると相手の心に響きやすいのか。浸透するのか。そのようなことがまとめられています。

PART5 人間関係のワークブック

第14章 成功と幸福をもたらす効果的な行動計画

最後は実際にここまで学んだ内容を行動に取り掛かるためのチェックリストが書かれています。

この章は本書を読んだうえで読まなければ意味も効果もありませんし、要約するべき内容というものも見当たりません。ぜひ手に取って目を通していただければなと思います。

人望が集まる人の考え方の感想

人望があるまる人とは、つまり、相手を大切にできる人であるという結論になる一冊なのかな?と思っています。ただそれは、自分自身を同様に大切にできる人なんじゃないかな?とも思うわけです。

まず自分自身の思いを聴き、否定せず、尊重し、重要感を与えてあげる。そんな習慣を持っている人は、自然と他人に同様の行動をとれると思う。そんなことをも思いながら読み進めました。

書かれていることは基本的なこと。でも、この基本が丁寧にできている人が上手くいく人だとも思えた1冊でした。

人間関係に良い変化を起こしたい、できれば根底から良い変化を起こしたいという人におすすめの一冊です。

人望が集まる人の考え方 (レス・ギブリン)

人望が集まる人の考え方 (レス・ギブリン)

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